2008年1月24日木曜日

『命売ります』

という本、ご存知ですか?
三島由紀夫作なんですけど、最近これを読みました。
何でよりによってこれなんだ?と自分で突っ込みを入れつつ、レジでお金を払って、さてどんなに変な小説なんだろうかと思って、心がウキウキしてしまいました(笑)。

私は結構読書は好きだったけど、三島由紀夫はほとんど読んだことがありませんでした。優等生らしく、『潮騒』は早期に読破して、でもその後うっかり元アイドルHが主演する映画を見てしまい、全ての記憶が塗り替えられてしまいました。今はもう、いなかくさい体を露にした松本千秋が「その火を飛び越えて来い!」と冗談みたいな大根ぶりで言い放ったそれしか思い出せない。
なんてこった。

でもとにかく純情だった私としては、三島由紀夫とか谷崎潤一郎とか、そういう辺り(と一括りにしていいか分からないけど)は触れてはいけないかんじがしてたので。早熟ぶったクラスメートが得意顔で『禁色』(三島由紀夫)を読んでいるのを横目に、『門』(夏目漱石)とか『暗夜行路』(志賀直哉)とかを私って実は根暗(死語?)かもとか一瞬不安になりながら読んでいたもんです。

そんなわけで、ろくに三島文学を知らない私がたまたま本屋でみつけた、この本。結構晩年に書かれたそうで、掲載本はなんとかの「プレイボーイ」ですよ!内容は、なんかはっちゃけ冒険かたゆで卵みたいな。でも、昭和43年発表の割りにてんで古臭くないのが、すごいね。チープだろうが、なんだろうが、おそらく三島さん、あんたは天才だ、、、、とそんな感じ。

時々おバカなキャラの女の子が「あたい」とか言うのが、やっぱり時代っぽいけど。
で、軽いと言えば軽い内容なので、すぐ読めます。もしかすると、本当はすごく深くて三島さんのメッセージが沢山こめられているのかもしれないけど、そういう事を考えずにふーんと読むとすぐ終わる。

ゼミの先生が、「作家個人の歴史を知らずにその人の作品を読んでも意味がない」と仰っていましたが、おそらくこの作品もその頃の時代背景とか調べたらもっと何かが見えてくるかもしれないけど。

でもこれ読んだお陰で、アイドルHの呪縛から少し逃れられた気がするので、ひっさびっさに『潮騒』を読み直す良い機会なのかもしれませんねー。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

こんばんは~。
三島さんと言うと、私は「愛の渇き」を思い出します。当時恋愛に悩んでいたので読んだ記憶があります。でも、今ではほとんど忘れてしまいましたけど・・・・。
今度三島さんも読み返してみようとか、そういう気持ちには今はならないですね。
私は暗かったのかぁ???

kyo さんのコメント...

☆花娘さん☆
花娘さんが暗かったかどうかは分かりませんが、『門』はとても暗いです。『暗夜行路』なんてホントに暗いですよー。三島由紀夫と言うと、どうしても某大学名誉教授(アメリカ人)と恋仲だったということが思い出されます。その先生は今も健在ですので、結構生々しかったり。。。。